アコムに対する過払い請求は、他の金融機関への請求に比べると、かなりし易いと言えます。

 ご存知のように、アコムは三菱東京UFJ銀行の子会社であり、資金力には問題がないため、過払い金を請求するとほぼ満額が戻ってきます。但し、司法書士など専門家を通さず請求すると、担当者に足元を見られて返還額がかなり少なくなるので、注意が必要です。

 まず、アコムから取引履歴を取り寄せ、法定利率に引き直し計算をした結果、一定額以上の過払い金が発生している場合、即時過払い請求訴訟を提起します。電話や文書で過払い請求をしても、まず支払うことはないので、すぐに訴訟を提起するのがベストです。

 そして、訴訟を提起すると、第1回目の期日の少し前に答弁書が送られてきます。答弁書には、請求を棄却するよう要求する旨が記載されています。これは、形式的なものだとお考えください。

 その後、過払い元金の7,8割を返還する旨の提案をしてきますが、もちろん原告としては過払い元金に加えて過払い利息まで請求する権利がある以上、拒否します。拒否した上で、利息も含めた満額でなければ和解しない旨を通告します。

 第2回目の期日の2,3週間前になると、アコムの側から満額に近い具体的な金額を提示しますが、利息についてはなかなか支払おうとしないので、ここから先は交渉次第となります。粘れば利息も含めた満額を勝ち取ることはできますが、その分、訴訟で様々な反論をしなければならず、取り戻したい利息の金額と労力のバランスを考え、妥当な落としどころを決めることになります。

 和解が整うと、こちらで和解書を作成し、2通をアコムに送付します。そして、アコムの記名押印をしてもらった上で、その内の1通を返送してもらいます。これで、支払日に指定口座に過払い金が振り込まれるのを待ちます。支払日は、和解日から大体数ヶ月先になることが多いようです。

土田司法書士事務所