個人再生を申し立てる際は、自己破産と同じく、裁判所に対し、個人債権者を含むすべての債権者を報告する必要があります。

 

 しかし、個人再生では、自己破産と異なり、債務を免除するわけではなく、減額するにすぎないため、できるだけ総債務額が少ないのが理想です。したがって、消滅時効にかかっている債務があれば、事前に時効援用をしておくのが良いと言えます。

 

 もっとも、総債務額が500万円以下である場合、原則として100万円については支払う必要があるため、債務額が500万円に大きく届かないときは、あえて時効援用をせず、そのまま申し立てた方が良い場合もあります。

 

 特に、小規模個人再生の場合、債権者の決議によって再生計画が認可されるかどうかが決まるため、事前に特定の債権者が異議を述べるかどうか、また、その債権者が有する債権額の大小などを考慮して、時効援用するかを決めるのが良いでしょう。

 

 例えば、時効援用によって消滅する可能性のある債権を持っている債権者は、個人再生に異議を述べない可能性が高い一方で、時効とは関係のない債権を持っている債権者が異議を述べる可能性が高い場合、時効援用をせず申し立てる方が無難です。

 

 少しわかりにくいかもしれませんが、個人再生を申し立てるご予定の方は、専門家に良く相談された上で、適切な対応を取ることが望ましいと言えます。

土田司法書士事務所