アコム㈱の時効援用について説明したいと思います。令和6年7月現在の情報となります。

 

 消費者金融のアコム㈱の時効援用手続につきましては、以前にもご説明しましたが、今回受任した案件は、1年ほど前に一度時効援用に失敗した案件を再度受任し、今度は成功した事例です。

 

 1年前に時効援用ができなかった理由は、その4年ほど前に債務者が電話で債務承認をしていたことが発覚したからです。時効援用通知を送付後、同社より資料が送られ、それによると、4年前に同社が電話で債務者に支払を依頼したところ、債務者は和解を希望し、具体的な分割による支払方法まで話し合いをしていたことがわかりました。それ自体、債務があることを認める行為となるため、時効更新事由に当たり、そこから5年が経過しておらず、時効援用ができませんでした。

 

 その後、同社より訴訟などの法的措置を受けることなく1年が経過し、債務承認の行為から5年が経過したため、あらためて時効援用をしたところ、今回は成功し、無事に債務が消滅しました。

 

 なお、アコム㈱は、通常、時効援用手続が完了すると、債務不存在証明書を送付してくれますが、なぜか今回の案件ではそれがなく、電話のみでの手続完了となりました。担当者や案件の内容によって、対応が異なるのかもしれません。

土田司法書士事務所