ある時効援用の対応
先日、時効援用の依頼を受けた際のエピソードです。ある学校法人より滞納していた学費の請求を受けた方から依頼を受けたという案件です。
請求書記載の代理人弁護士に時効援用通知書を送付し、何日か経ってから電話をしました。最初に出たのは、女性事務員で、時効援用の可否を訊いたところ、既に時効は完成しており、今後請求はしないと言われたので、電話を切ろうとしました。
その際、事務員に「担当の弁護士は外出中ですが、別の弁護士がおりますので、代わりましょうか?」と言われたので、「では、お願いします。」と言ったところ、若そうな弁護士が電話に出ました。そこで、先ほど事務員に伝えたことと同じことを訊いたところ、こうなりました。
弁護士「お答えできません。」
私「先ほど、事務員の方は、時効は完成しているので、もう請求しないと言われましたが。」
弁護士「とにかく、今後訴訟の場で解決していくことになると思います。」
私「いや、先ほど言われたことと違います。先ほど出られた事務員の方に代わってください。」
弁護士「できません。」
私「どうしてですか?」
弁護士「どうしてもです。」
私「今まで他の会社に時効援用の可否を確認したときは、どの会社も明確に時効が完成しているかどうか回答されましたよ。」
弁護士「とにかく、返事できません。」
何かあったときに責任を取りたくないんだろうなというのはわかるのですが、確実にいるとわかっている同僚を電話に出さないのは、さすがに対応としてどうだろうと思いました。すぐに、ネットでその弁護士事務所を調べたところ、歴史も由緒もある東京の立派な事務所だったのですが、こういう対応しかできないのは、事務所に問題があるのか、その弁護士に問題があるのか・・・としばらくの間、考えてしまいました。
ちなみに、大学の授業料支払債務の時効期間は、民法173条3号により、2年間となっています。ご参考までに。