自己破産を申し立て、書類等の審査が終わると、裁判所より破産手続開始決定が下ります。その後、約2ヶ月の間、債権者から異議がなければ、免責許可決定が下り、手続きは終了となります。

 

 この破産手続開始から免責許可までの間に、婚姻や離婚による氏名・本籍の変更、引越しによる住所の変更などがあった場合、速やかに裁判所に届け出る必要があります。免責許可決定が下りると、官報に破産者の住所氏名が記載されるからです。

 

 基本的に、破産手続開始決定後に氏名や住所を変更することは、禁止されているわけではないで、申立人が自由に行っていただいても大丈夫です。しかし、免責許可決定が下りる直前になって変更すると、裁判所の事務手続きに支障が出るため、控えていただく必要があります。

 

 先日、当事務所で受けたご依頼の中で、翌日に免責許可決定が下りるという段階になって、申立人の氏名・住所・本籍すべてが変更されたことが発覚したため、裁判所に電話で伝えたところ、かなり困惑されたという事例がありましたが、その時は、免責許可決定を少し延期してもらい、資料を揃えて裁判所に変更報告をすることにより事なきを得ました。

 

 やむを得ない理由がない限り、破産手続開始決定後、免責許可決定前に氏名や住所を変更することは、控えた方が無難かもしれません。

土田司法書士事務所