債務の利息と遅延損害金の違い
借入をすると、債務額に対して、日々、利息が発生します。この利息は、借入の際に交わす契約書の中で定められており、法定金利の範囲内で何パーセントと決められています。
かつて、この法定金利を超えて利息を取っていた貸金業者が今になって請求されているのが、いわゆる過払金です。ただ、現在では、法定金利を超えた利率で貸し付けている業者はおらず、いずれは過払金の発生というものはなくなる見込みです。
利息と似たものに、遅延損害金というものがあります。遅延損害金と利息は何が異なるのか、一般の方はあまり気に留められないかもしれませんが、まったく違うものです。
利息は、お金の貸し借りの取引が約定通りに行われている場合に発生するものですが、遅延損害金は、約定通りに債務の返済ができなかった場合に発生するもので、債務不履行による損害賠償金のような意味合いです。したがって、遅延損害金の法定金利は、利息より高めに設定されています。
利息の法定金利は、債務額が10万円以上100万円未満では上限が18パーセント、100万円以上だと上限15パーセントですが、遅延損害金の場合、債務額が10万円以上100万円未満では上限が26.28パーセント、100万円以上だと上限が21.9パーセントとなっています。
したがって、1000万円を借りている場合に債務の返済が滞ってしまうと、1年後には、債務額が1200万円以上に膨らんでしまうこともあるため、滞納をしないよう注意が必要です。
もっとも、自己破産をする場合は、遅延損害金がどれだけ高額であろうと、免責が下りれば債務自体が消えてしまうので、あまり影響がないと言えます。