前回、個人再生における住宅ローン債権者への対応について記載しましたが、今回は、大垣共立銀行が住宅ローン債権者である場合について、説明したいと思います。

 

 大垣共立銀行から住宅ローンの融資を受けると、系列会社の㈱OKB信用保証が抵当権者となって、抵当権が設定されます。しかし、保証会社といっても、将来、大垣共立銀行へ支払不能となった場合に代位弁済してくれるというだけで、支払不能になる前は、債権者はあくまで大垣共立銀行のままです。

 

 大垣共立銀行が住宅ローン債権者で、住宅資金特別条項付き個人再生の手続を開始する場合、同行に対して司法書士などから受任通知が送付されると、受任通知が届いた日時点での、同行のすべての依頼人名義の口座が凍結されます。

 

 しかし、自己破産の場合と異なり、個人再生の場合は、住宅ローン債権者に対してその後も返済を継続する見込みがあることから、完全に凍結されるわけではなく、暫定的な凍結にとどまり、将来的に個人再生計画の認可が確定すると、凍結した預金を払い戻してくれます。

 

 もっとも、暫定的とは言え、口座が凍結されてしまうと、勤務先からの給与の振込ができなかったり、住宅ローンの引落ができなかったりと不便なので、受任通知を送付した後に、速やかに大垣共立銀行の窓口で、凍結日時点の残高を取り分けた上で、再度口座を使用できる状態にする手続を行うことで、口座は従来通りに使用できるようになります。

 

 したがって、司法書士などから受任通知が送付される際は、口座の残高を下ろしておいたり、給与振込日と重ならないよう配慮することが重要と言えます。

土田司法書士事務所