自己破産と個人再生における「債務を負った経緯」
自己破産を申し立てる場合でも、個人再生を申し立てる場合でも、陳述書に「債務を負った経緯」を記載する必要があります。
しかし、同じ「債務を負った経緯」でも、自己破産と個人再生では、求められる詳細度が異なります。つまり、破産では、非常に詳細な事情を記載しなければならないのに対し、再生だと、簡単な事情を大まかに述べるだけで済みます。
なぜこのような違いがあるかというと、自己破産は本来、支払わなければならないはずの債務を、裁判所という国家権力によってすべて免除する手続であるため、厳格な審査が求められるのに対し、個人再生は、債務を減額するに過ぎず、また、すべての債権者の決議によって再生を認可するかどうかを決めるため、それほど厳格な審査が求められない点にあります。
したがって、ギャンブルや浪費などの免責不許可事由がある場合、基本的には自己破産ではなく個人再生を選択した方が無難です。しかし、個人再生でも返済できないほどの債務額があれば、免責を受けられないかもしれないことを覚悟して、自己破産を申し立てるのが良いでしょう。
もちろん、免責不許可事由の有無だけではなく、自己破産をした方が良い案件と個人再生の方が良い案件もあるので、どちらの方法が良いか、司法書士や弁護士などの専門家に相談するのが無難です。