NHK受信料についても、時効援用の対象になります。時効期間については、かつてNHKは10年を主張していましたが、最近の最高裁で5年との判決が下り、NHKのホームページでも5年で時効消滅するとの説明が加えられました。

 

 NHK受信料は、年間一括で納める方法と、2箇月ないし半年ごとに納める方法などがあるため、過去5年以前に発生した受信料のみ消滅時効の対象になり、それ以降のものは支払義務が残ると考えられます。

 

 先日、依頼を受けてNHK受信料の時効援用および滞納している受信料の任意整理をしようとしたところ、NHK独自のルール(?)を主張されて、結局どちらもできずに終わったことがあります。

 

 まず、時効援用ですが、依頼人の方は1年ほど前にNHKに口座振替依頼書らしき用紙を提出したらしく、それが原因で、過去5年以前の受信料も時効中断され、もはや時効援用できないと言われました。

 

 電話で対応を受けただけで、その用紙もどのようなものか見たわけではないので何とも言えませんが、おそらく訴訟等で争えばこちらの主張が正しいと判断されたかもしれません。しかし、訴訟をすると費用も時間もかかるため、依頼人と相談の上、そこまで争うことはしませんでした。

 

 次に、任意整理ですが、少なくとも岐阜のNHKでは、弁護士や司法書士を代理人とする任意整理は対応したことがなく、すべて契約者本人としか交渉できないと回答されたため、これも空振りに終わりました。

 

 NHKは一般の会社ではない特殊な法人で、特別法により細かい決まりもあるため、弁護士や司法書士等の専門職でも対応は難しいようです。

土田司法書士事務所