自己破産をする際に、自動車・不動産と並んで気をつけなければいけないのが、生命保険の存在です。

 

 単なる自動車保険や医療保険、県民共済であれば、掛け捨ての保険であることが多く、解約返戻金が発生しないため、破産をする上で特に問題はないのですが、解約返戻金が数十万円の単位で発生すると、自己破産の障害となることがあります。

 

 自己破産をする際は、自動車や不動産のように、債務者に一定の財産があれば、それをお金に換えて、債権者に分配する手続が必要です。生命保険の解約返戻金も、まさにその財産に該当するため、一定額以上の返戻金が発生すると、管財事件として多額の予納金を支払う羽目になります。

 

 もっとも、生命保険を解約して、多額の返戻金が戻ってくれば、その中から破産申立費用や予納金を差し引いた金額を債権者に分配すればよく、破産の費用の心配をする必要がなくなるという点では、役立つ財産と言えます。

 

 ともかく、自己破産が同時廃止事件になるか、管財事件になるかを分ける目安として、不動産・自動車・生命保険の解約返戻金の有無を最初に質問することになるので、これから自己破産をお考えの方は、心に留めておいていただけると助かります。

土田司法書士事務所