こちらの続きです。

11について
 税金については、たとえ自己破産でも免責されず、個人再生でも縮減しません。その人が生きている限り、支払義務を負わなければならないため、債務整理に直接関係しませんが、例えば税金の滞納によって、不動産や預金が差し押さえられる危険がある場合、そちらを優先して考えなければならないため、債務整理の方針に影響が出ることもあり、どの程度の滞納税金があるかを訊いておく必要があります。
 なお、この「税金」には、国民健康保険料や、国民年金の掛け金等も含まれるので、注意が必要です。

12について
 最後に、家族に秘密で債務整理をすることを希望するかどうか訊きます。
 債務整理のうち、任意整理は完全に家族にも内緒で行うことができますが、自己破産と個人再生については、申立時に配偶者の給与明細や預金通帳の写しを提出する必要があるため、こっそりコピーできればともかく、そうでない場合は債務整理が家族にも分かってしまうことがあります。
 そのため、可能な限り家族にも協力してもらうよう説得するのが一番ですが、中には債務整理の事実が分かったとたん離婚話になってしまう方もいるので、難しいところです。
 なお、借金相談をして債務整理を正式に司法書士などに委任すると、以後は債権者といえど債務者本人に連絡をとることが原則として禁止されるので、家族や職場にばれることはまずないと言っていいでしょう。

 以上、簡単ではありますが、借金相談での聞き取り事項をまとめてみました。
 これ以外にも、事業をしている場合は、別の聞き取りが必要となってきますし、また、自己破産や個人再生を申し立てる場合は、申立の直前になってから更に細かい事情聴取が必要となります。
 ただ、司法書士には守秘義務が課されているので、借金相談の内容はもちろん、相談があったこと自体も他人に漏れることはありませんし、安心して相談にお越しいただいて大丈夫です。

土田司法書士事務所