同一の債権者から複数の借入がある場合、特定の借入契約だけを選択して任意整理をすることが可能かについては、債権者ごとに対応が異なります。今回は、愛知県一宮市に本店のある尾西信用金庫について述べたいと思います。

 

 今回当事務所で受任したご依頼は、尾西信用金庫で行った2件の借入の内、1件のみ任意整理による和解をしたいというものでした。1件は低利率の契約で、残高も少額のため依頼から外し、もう1件の「びしんきゃっする」という高利率の借入のみ債務整理の対象としたい旨の依頼人のご希望があったので、受任通知にその旨を記載して同庫に送付しました。

 

 受任通知を送付して1週間後、同庫より催告書が届きましたが、2件の借入いずれも保証会社より代位弁済を受ける旨が記載されていたため、同庫に問い合わせたところ、保証会社との契約上、すべての借入が債務整理の対象になるとの回答がありました。

 

 したがって、尾西信用金庫で複数の借入がある場合、基本的にはすべての借入が任意整理の対象となってしまうようです。信用金庫から借入をする場合、通常は消費者金融や信販会社が保証会社となっているため、その保証会社ないし債権譲渡先と任意整理をすることになります。

 

 今回、1件の借入は㈱クレディセゾンが保証会社、もう1件の借入は信金ギャランティ㈱が保証会社になるとの通知があり、更に信金ギャランティ㈱はその後、SMBCコンシューマーファイナンス㈱に債権譲渡をする予定とのことなので、㈱クレディセゾンとSMBCコンシューマーファイナンス㈱の2社と任意整理の和解交渉をすることになりました。

 

 このように、尾西信用金庫から複数の借入をされている方で将来の債務整理をご検討の方は、すべての借入が対象になるという点を念頭に置いていただければと思います。

土田司法書士事務所