自己破産を申し立てる際の管轄裁判所について説明します。

  自己破産は、誰がどの裁判所に対して申し立ててもよいわけではなく、法律上管轄する裁判所について破産法5条1項で定められています。

①債務者が営業者(会社・商人)の場合

  主たる営業所所在地を管轄する地方裁判所

②債務者が営業者でない場合

  普通裁判籍の所在地(住所、居所、最後の住所)を管轄する地方裁判所

  これには特例もあり、たとえば、法人と代表者間、個人の連帯債務者間、個人の主債務者と保証人間、夫婦相互間では、どちらかの管轄に属する裁判所に申立てができます。

  また、破産法6条により、破産事件の管轄は専属管轄とされており、民事訴訟法でいうような合意菅轄や応訴菅轄は認められておりません。

  異なる管轄裁判所に自己破産を申し立てた場合については、即時抗告ができるか否か争いがありますが、民事訴訟法338条1項の再審事由には該当しないので、破産手続開始決定がなされて確定した場合、もはや争う余地がないことになります。

土田司法書士事務所