自己破産をする場合、家族、特に同居の家族に内緒にしたまま手続ができるかどうかを不安に思う方もいらっしゃると思いますが、結論から言えば可能です。

 

 自己破産を申し立てる場合、どのような場面で家族に破産手続をしていることがわかってしまうかと言うと、例えば、破産申立書類の中に、同居の家族に関する資料を添付しなければならないため、申立人が協力を求める際に発覚します。

 

 破産を申し立てる際、申立人を含め、同居の家族全員の所得課税証明書を提出する必要がありますが、これは、同一世帯の人であれば、委任状なしに市町村役場で取得可能なため、ここで発覚することは防げます。

 

 ただ、給与明細やクレジットカード明細については、同居の家族の間でもあまり見せたくないものであるため、本人の協力がないと提出不可能なこともあるでしょう。給与明細については、配偶者が給与所得者の場合に添付が義務付けられていますが、提出不可能な場合は、「絶対に家族にばれたくない」「どうしても協力が得られなかった」と上申して対応することもできなくはありません。

 

 他には、官報公告で発覚する可能性がありますが、官報は基本的に一般人が見ることはほとんどなく、また、裁判所から書類が届いて発覚する可能性もありますが、司法書士や弁護士に自己破産手続を依頼すれば、裁判所から直接書類が届くこともありません。

 

 もっとも、自己破産が管財事件となった場合で管財人が就任した場合、その管財人の判断によっては、家族に調査の手が入ることもあるので、その場合はあきらめて、家族に打ち明けた方がよいでしょう。

 

 このように、上手にやれば家族に秘密のまま手続をすることもできますが、自己破産という人生の中でも重要な手続をするためには、やはり家族の理解を得て行うのが一番です。

土田司法書士事務所