任意整理の交渉の争点
任意整理をする場合、交渉の争点となるのが和解金額です。特に、サラ金などが債権者の場合、法定利率に引き直し計算をした後の残高が、こちらと債権者の側で微妙に食い違います。この場合、裁判で争えばおそらくこちらが勝ちますが、残高が数百万円に及ぶ場合はともかく、100万円以下の金額では争ったところで数千円~2万円違うかどうかという程度なので、訴訟をした方が高くつきます。そのため、和解金額については債権者の言い分を飲まざるを得ない状況です。
和解金額には、債務額の元本と利息が含まれますが、任意整理をする場合には、将来利息は発生しないのが原則です。既に返済が苦しくなっている人から無理に利息を取ると、破産してしまう可能性があり、そうなると1円も戻ってこなくなる危険があるからです。
和解金額に将来利息は含まれないのが通常ですが、最終取引日から和解日までに発生した利息については、請求されることがあります。最終取引日から2、3ヶ月程度であれば免除してもらえることもありますが、6ヶ月以上経っていると、利息の一部は支払わなければならないことが多いようです。
任意整理でもう一つ争点になるのが、初回支払日をいつにするかです。和解が整った日から、通常は間近い日をもって返済を再開することが多いのですが、債務者の中には2,3ヵ月後にしてほしいという方も大勢おられるので、債権者とこの点でもめることもあります。こちらの窮状を訴えれば、大抵は納得してくれますが、やはり2ヵ月後くらいが限界です。それ以上待たなければ返済できないとなると、自己破産や個人再生などを検討せざるを得なくなります。