個人再生を申し立てるには、安定した返済能力が必要ですが、必ずしも給与所得者である必要はなく、アルバイト・パートや年金受給者でも、再生計画による返済を継続できる能力があれば、申立ては可能です。

 

 では、主な収入が給与所得である人が、個人再生を申し立てた後、再生計画の認可決定を受ける前に転職してしまった場合でも、そのまま再生手続きは進められるでしょうか。

 

 結論から言うと、申立て時の勤務先を退職した後、速やかに転職するなどして、再生計画による返済に問題がないと判断されれば、再生手続きに影響はないと言えます。

 

 しかし、本来は、個人再生の申立て時の状況を基礎として手続きが進められるのに、それと矛盾するような転職をすることは、望ましいこととは言えませんし、可能であれば、転職して一定の収入があることがわかる資料を用意してから申し立てた方が良いと言えます。

 

 もっとも、個人再生の申立て時には予測できなかった事情によって、転職せざるを得ないことはあると思いますので、その場合は、転職後に支給される給与がわかる資料などを添付して、裁判所に対して支払能力をある程度示す必要が出てきます。

 

 以上のことを踏まえて、個人再生の申立てと転職を同時にご検討中の方は、転職をした後に申立てることをお勧めいたします。 

土田司法書士事務所